代表者メッセージ

天城カントリー工房を設立してから、お陰さまで30年を迎えました。
今日に至るまで、光栄なことに、日本ログハウス・オブ・ザ・イヤーをはじめ、たくさんの賞をいただき、テレビや雑誌など、さまざまなメディアにも当社のことや私の取り組みを取り上げていただいておりますが、大工としての私がログハウスの建築を本格的にはじめたのは40歳の頃からです。

それまで、私は建具や家具をつくる職人でした。中学を卒業してすぐに丁稚に入り、約25年程職人をやっておりました。23歳で独立したときには、仕事はそれなりに順調で、ゼネコンの下請けも多くなり、ちょうどバブルの絶頂期で、すごく忙しい時でした。

でも、どんなに一生懸命やっても、予算も工期も決められて、その通りに納めるだけで、お客様の喜ぶ顔が全然見えない。そういう現実に段々と嫌気が差し、「違うことをやってみよう」と、昔から興味のあったログハウスのミニチュアをつくってみました。完成したミニチュアを、アポも取らずに渋谷の東急ハンズに持ち込んで、どういう想いでつくったかを説明して、有り難いことに、その場ですぐに買い取っていただいて。結局、ミニチュアだけでも1,000棟ぐらいつくったように思います。

そして満を持して、「今度は、人が暮らせる本物のログハウスをつくろう」と。
それが天城カントリー工房の出発点です。

通常「大工の仕事」には、決められた工程、ルールがあります。ただ私の場合は、そういう決まりごとを無くし、既成概念にとらわれない自由な発想でやりたかった。なぜなら、「家を建てる」ということは、お客様にとっては人生の一大事。「絶対にお客様が納得できる家をつくる」という想いが、私の、この会社の、大切な原点だからです。

通常、最初に作成した設計図通りに建てれば、家づくりはそれで終わりですが、当社の創業期には、お客様が満足いくまで工事を続けていました。会社経営のことだけを考えれば、決して良いことではありませんが、私には「追加工事」という概念がありませんでした。それでお客様が喜んでくれたら、これ以上の幸せはありませんでしたから。

当社は、お客様の話を聞いて、設計から原木の選別、搬入、加工、建込、造作仕上げ、建具作りを、外注も下請けも使わずに、1から10まで全て当社のスタッフだけで完結させるという体制にこだわり、創業時から変わらず続けています。それは、お客様一人ひとりのご要望に100%応えるためです。

そういった想いがお客様に届いたこともあってか、「木の家に住みたい」と当社に依頼してくださるお客様が増え、会社としても少しづつ成長して参りました。

私は今でも変わらず現場の仕事を続けておりますが、いつまでも現役にこだわるのは、「お客様の笑顔を直接見たい」というシンプルな想いがあるからです。

過去には、自分の理想を追いかける余り、スタッフと対立して、全員に辞めてもらったこともありました。もちろん、現場の設計や施工は続いていますし、お客様をお待たせする訳にいきませんから、自分ひとりで、連日、徹夜で仕事を続けたこともありました。どんなに心身共に疲れ切っても、お客様の笑顔が、「ありがとう」の一言が、この仕事の誇りとやりがい、明日への元気を与えてくれました。

お陰さまで、今では本当に良いスタッフに恵まれております。若いスタッフが、暑い日も、寒い日も、雨の日も、現場で一生懸命お客様のために励んでいる姿を見ると、「俺ももっとがんばらなきゃ」と気持ちが駆り立てられます。

今も、そしてこれからも、「年中夢中」をモットーに、お客様の笑顔のために最高の家づくりに邁進して参ります。

株式会社天城カントリー工房代表取締役 土屋宗一郎